これからボーナスシーズン。
転職をする人が多い時期でもあります。
新入社員の約4割が転職を考えている
あるアンケートで2017年に就職した社会人約500人のうち約4割の人たちが転職を考えているとの結果が出たそうです。
これはかなり多い数値ですよね。
いまは転職売り手市場
そこまで転職を考える人が多いのは、いま転職環境は、働く側が有利な立場になる売り手市場にあることが関係しているとのこと。
自分の周りに魅力ある働き先が多ければ、今の職場、仕事が思った通りのものでなかった場合、転職を考えてしまう気持ちわかります。
競争が激化しているビジネス環境
いまの新入社員の人たちは、まじめな人が多く、一生懸命に働く人が多いと聞きます。
きっと素直に上司の言うことを聞き、仕事に真剣に取り組んで頑張った。
だけど、転職を考えるに至ってしまったのでしょう。
その背景には、厳しいビジネス環境にいきなり対応しなくてはならないことが考えられます。
グローバル化や新産業が生み出されていないことが原因で、同業他社間の競争が本当に激しい。
企業側は必死です。
売上を獲得するために、たくさんの施策打ち出し、実行しなくてはならない。
その指示が社員にも降りてきて、やることが増え、長時間労働につながる。
しかも、残業代も削減しなくてはならないという、課題が山積みの状態です。
そんな環境に、いきなり入ることは本当に厳しいですよね。
働く人たちの心も忙しい
そして、いまの時代はスピードが早く、情報も溢れています。
ビジネス環境だけでなく、生活環境もとにかく忙しい。
多くの情報が溢れていて、どの情報を取り入れて生きていけば良いのか訳がわからなくなっている。
そんな中、人たちの心も穏やかではいられません。
日常生活のイライラが社内にも影響し、社員間の人間関係もギクシャクしやすくなります。
仕事を変えたい理由が人間関係という人も多いのではないでしょうか。
そんな過酷な環境の中で未熟な新入社員が良い条件の企業を求めてしまうのは無理もないのかもしれません。
かといって、よほどのブラック企業でない限り、時代背景は変わらないので、他の企業に行ってもベースは同じような環境であるのは予測できます。
会社を辞める前に理解しておくべきことは何なのか?
転職売り手市場のいまだからこそ、理解しておくべきことがあります。
それは、自分と上司・経営者の観点の格差です。
観点とは、簡単に言うと、自分と自分以外をどう観るのかという観方のこと。
いま新入社員と上司、経営者の観点に、ものすごく大きな格差が生まれているのです。
それがお互いに頑張っているけれど、交わらない原因です。
観点は、人間共通の観点や国の観点、世代の観点があります。
ここでは、世代の観点を取り上げます。
世代の観点は、自分の周りの環境から情報を取り入れて出来上がります。
特に幼少~少年時代の環境が大きく影響しています。
例えば、上司が40代としてみましょう。
当たり前と思うかもしれませんが、いまの40代と20代では、生きた時代がまったく違うんです。
その中で最も違うポイントは、幼少~少年時代に
・インターネット
・スマートフォン
を使っていたかどうかです。
いまの40代の人たちは、20代のときにインターネットが普及し始めました。
ですので、上記の2つは幼少~少年時代にありませんでした。
一方、20代の人たちは、早ければ中学校、多くの人は高校時代からインターネットにつながったスマートフォンを使い始めている。
分からないことがあれば、検索してすぐに答えを見つけることができる。
世界の情報知識が自分の手のひらの中にある状態。
自分の頭で考えるよりは、検索した方が早い。
スマートフォンから、いろんなサイトやSNSを見ると自分よりお金を持っていたり、魅力的に見える人が無数にいることがわかる。
相対比較の対象が多すぎて、自信を持つことが難しい。
むかしは町の中だけなど、狭い範囲からの情報しか入ってきませんでしたので、比較する対象が少なく、自信を持ちやすかった。
時代も今ほど競争が激しくなく、未来の希望も持てた状態でした。
また、スマートフォンは自分の思ったとおりに画面を変えて、興味のあることを受け取れる。
でも、現実はそんなにすぐには変化しない、受け取れないので、もどかしいと感じてしまう。
ですので、40代の人からみたら、いまの20代の人たちは、自分に自信がない、未来に希望を持っていない、粘りが足りないようにみえる。
逆に、20代の人から40代の人を見れば、何でそんなにがっついているの?とみえる。
お互いに観えている世界が全然違っているんです。
この観点の格差の理解は、今の職場でも転職先の職場でも役に立つものです。
まとめ
いまの時代は、経営者・上司と新入社員にとって一番辛いときです。
まずは、お互いの観点の違いを理解する心をもつこと。
相手と接するときには、相手の言葉、行動、表情の背景には観点があることを意識していくことが重要です。
小さな変化のようにみえますが、ここからの変化が確実な道です。